規格が合ってないとそりゃおかしくなるお話【REPAIR】
更新日:2023年7月8日
秋晴れな日が少し続いて暑かったのも過ぎ去ったようで
少し肌寒くなってきました
季節に合った服装を選ぶのが少し難しい時期
服装もアレコレ考えて合わせるのも中々に大変
学生時代の制服がなんと楽だった事かとしみじみ思います
ウチで悩んだりする事で多いのは自転車のパーツ
自転車パーツは互換性を考えれば
決まったものがあればそれをチョイスするのが良いのですが
アレンジャーや現物合わせという言葉もあります
今はほぼなくなりましたがシマニョーロだったり
10速ギヤに9速チェーンだ11速クランクだとアレンジャーは尽きない
今回のお話はたぶんアレンジャーの一つだろうと言うお話
発端はスプロケットが緩んでくるので締め付けてほしいという修理依頼
2か月前にスプロケットを他店で増し締めしてもらったとの事
自転車は自身の物ではなく貰い物のようでオールドパーツで構成されてた自転車
いくら他店でもスプロケットを増し締めくらいと思ってスプロケットを確認
するとカタカタとぐらつきが確かにある・・・
となると3つの当たりを付ける
1.他店の締め付けが甘かった
2.フリーボディーのネジがなめている
3.スプロケットがおかしい
基本的に部品の不具合でなければ作業員のミスが考えられるので
とりあえず同じ症状が出るか確認するために締め付けてみる
すると通常であればゴリゴリっと感触があるのが
なにやらスルスルと延々に締め付けできそうなくらいスカスカ
なのでフリーボディーのネジ山が逝ったかと考え外して確認
しかしフリーボディーのネジ山は特に問題ない
なんじゃこれはと思ってホイールを見るとWH-R550
10年以上前のホイールで当然今では手に入らないヤツ
規格を調べてみると8.9速用とか10速用とか書いてあったりする
フリーボディーの長さは以前にも記事にしましたが
10S<8.9Sの方が長いので10速用には8.9速のスプロケは使えない
そもそもフリーボディーも10速専用なので他の段数は使えないはず
んーしかし
現に9速のスプロケットが入ってるのでおそらく10速専用ではないっぽい?
なんだなんだと考えながらフリーではなくスプロケットが悪いのでは?
しかし間座もしっかりあり通常であれば締め付けるのに問題ない
何かがおかしいのにその何かが判らない・・・
しばしスプロケットの何が原因かを考え
歯を1枚1枚確認する
すると12Tの一番外のスプロケ
あれ?なんかキミおかしくない?
ロックリングを最後締め付けるので
通常であれば締め付けた歯型が全体につくはずが
一部はついてない
もしかしてこのスプロケット
アレンジャーによって適当な歯を突っ込まれて締め付けられてた説が浮上
いや、そんなまさかと思いつつも他の自転車のスプロケットを確認
するとどれもロックリングがしっかり当たる様になってる
となるとこの12Tはおそらく別のスプロケから持ってきた
もしくは1枚別のスプロケを差し込んで11Tを抜いたのだろうかと考察
そこで別のスプロケットを用意して見比べてみる
するとロックリングが当たるギヤはやはり全体に噛み合うようになってる
とするとこの12Tの下にもう一枚ギヤが本来はあるんだろうけども
それを抜いて12Tで締め付けてると言うことになる
問題も解決したので新たなスプロケを嵌めて締め付けると
しっかりと増し締め完了
おそらく他店の作業したスタッフもそこまで見てないで作業をした可能性がある
いやこれは見落とす可能性は高い
9速ギヤでパッと見た目も問題なく尚且つ自走してこれたのであれば
わざわざ外して1枚1枚を確認はしない可能性は十分にある
気が付くポイントとしては締め付けた時のゴリゴリ感を感じるかの1点のみ
部品を使いまわしたりするのもアリですが
できるなら規格を合わせて使うことが一番大切なことです
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