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コースターブレーキの修理【REPAIR】

  • ひよこ
  • 2022年2月13日
  • 読了時間: 3分

更新日:2023年7月9日

少しずつ暖かく感じて来たここ数日

日中は春を迎えつつあるもののやはり朝晩は冷える

流行り病もあるし朝晩寒いしで色々と大変ですが

久々の暖かい日に珍しい修理がありました


持ち込み自体はチェーンが弛んでいるから張り直しの依頼

だけども車輪を触ってみるとハブ軸にガタ

チェーンの張り調整ついでに軽く増し締めをしてガタ取りをしたところ

今度はブレーキが擦ってるような音・・・


これは一時的なものなのかそれとも増し締めをしたことで何かがズレたのか

分解って簡単だったかな?と思いつつ預かって修理をすることに


このコースターブレーキというのはちょっと特殊で

ペダルを逆回転に回すことでブレーキを掛ける特殊な構造


似たような構造だとBMXのフラットにフリーコースターハブというのがあって

逆回転に回すとハブのノッチが外れたようになって

車輪を逆回転させるとペダルとギヤが連動駆動しなくなるシステム

あまりにもニッチかつ特殊なシステムなのでBMX以外では使われません


ではこのコースターブレーキは何かというと

さっきも書いたペダルを逆回転→ブレーキが掛かる

逆回転をさせるとブレーキとはどういうこっちゃと思うのでもう少し詳しく言うと


ペダルを逆回転に回すと中のネジ部分が締まり

締まった時にブレーキパッドが広がりブレーキを掛ける

それがコースターブレーキの仕組みです


これとほぼ似た仕組みなのがローラーブレーキ

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ワイヤーを引っ張ってカムを中で動かしてブレーキを掛ける仕組み


そんでじゃあこのコースターブレーキ

なんで音鳴りがするのか分解清掃を兼ねて一度確認


車軸を外すのは特に難しいことはなく

コグを取るのにちょっとコツがいるのでご注意

そのあとはネジを緩めるとゴボっと取れますんで取り出して確認

真っ黒になってる接着剤かよと思うほどの粘着力のグリスが付着したブレーキパッド

ree

たぶんこれが締め付けた際にズレたか干渉したかで戻らなくなったんでしょう


ree

このおっきいネジみたいなのが逆回転させると締め付ける部品

反対側の溝にはコグがつきます


とりあえずボンドでもついてんのかってくらいに接着するんで

全部清掃して粘着を落とす作業

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ベアリングも状態は綺麗でそのまま使いまわしできるのでそのまま作業

ree

そんでこれがいったん全部びゃーっと清掃した状態の構造

ree


シンプル過ぎる構造

ちなみに日本の自転車ではほぼ採用されてなく

現在は主にビーチクルーザーに採用

ビーチクルーザーはアメリカなどの国で昔からある自転車

浜辺を走る自転車でタイヤが太くサーフボードなどを運べる

一種の運搬用自転車としての側面もある自転車


アメリカだからと言うわけではないんですが

アメリカの工業製品って何かとシンプルにするのが上手だなと

コースターブレーキも戦車もスマホも車も割となんでも複雑化せずに

誰でも操作できるでしょってくらいに簡素化してくれるのが上手な印象


簡素化するには大量生産しやすい反面

どの部品も一定の品質が必要ですが

それでも実際に作れる技術と工業力があるんで流石


さて話題を戻してこのコースターブレーキ

ブレーキパッドを取り付けるんですが注意点として

この凹凸部分にパッドを合わせないと音鳴りしたりブレーキの効きが落ちるんで注意

ree


また頻繁に開けてグリスを注すならばなんでもいいんですが

そうしないなら耐熱系のモリブデン系がオススメ


耐熱の理由はブレーキを掛けると熱が発生するんで耐熱でない場合はグリスが干からびるから

それでも使い続けてると乾いてくるんで定期的にはグリスアップは必要


古くからあるシンプルな構造

開けてみたら実は・・・なのも面白い

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